臨済宗妙心寺派社会事業協会
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    社会事業協会だより  第15号  
                                                                平成23年12月発行 
   本当の豊かさとは何か
                          教学部長
                 栗原 正雄
 
 日ごろは、妙心寺派社会事業施設にてご活躍のこと誠に法幸に存じあげます。
さて、千年に一度と言われる未曾有の大地震と大津波、それに伴う福島原子力発電所事故 や相次ぐ台風被害と平成23年は自然災害の脅威にさらされた年でした。現在、徐々にではありますが復興の歩みを進めておりますが、未だ仮設住宅等にて不安な中で生活されておられる方々や目に見えない放射能の恐怖にさらされておられる方々が大勢おられます。一刻も早く被災された皆様に心安らかな生活が戻りますように祈念いたしますとともに、被災された方々の苦悩に寄り添った支援活動を続けたいと思っています。
 ところで、東日本大震災と福島原発事故は日本国土に生きるすべての人々の人生観に大きな衝撃を与えました。利便性と経済性のみを追及し、そこに豊かで幸せな生活あるものと邁進してきた私たちに、本当の豊かさとは、幸福とは何かを問い直すかのように・・・。しかし利便性と経済性のみを追求する価値観は、もはや限界に来ていることは震災の前から私たちも気づいていたはずです。それがこの度の様々な出来事により改めて明らかになったのではないでしょうか。
 戦前の日本は、物はないけれども心は豊かな時代でした。戦争になり敗戦、すべてを失って国民すべてが物資の不足した貧困の日々を経て、戦後は高度成長と、私たちは激動の中で夢や希望を持って一生懸命生きてきました。あの時代と比べれば、今日は考えられないほど豊かな時代です。しかし、過剰な物が幸福を逆に奪っているのではないでしょうか。世の中には物と情報が溢れています。新しい物を見たら欲しくなり、友だちが持っていたら欲しくなる。でも、それは本当に心から欲しい物なのでしょうか。一時は得ることにより満足するでしょうが、その欲望には限界がありません。
   心から幸せだと思えること。それは日々の暮らしの中にたくさんあるはずです。 どんな辛い状況にあっても、足元には必ず幸福が落ちているはずです。だからこそ人生は生きていくことができるのです。そのことを私たちは大震災という苦しみの中で気づかされたのではないでしょうか。
 誰もが心から東日本大震災からの復興を願っていますが、物質的な豊かさを求めたいにしえへの復興ではなく、今回の震災を機に心を物に従属させない生き方を共に考え、もう一度、日々の生活を見つめ直すきっかけにすることを被災され尊い命を奪われた多くの方々の御霊に誓いたいと思います。
 福島原発事故により、その安全神話はもろくも崩壊しました。エネルギー消費に頼らない社会の実現を一人ひとりが真剣に考えなければなりません。
 妙心寺派では、先に「原子力発電に依存しない社会の実現を」と宣言文を出しました。その中で「私たち仏教徒は、利便性や経済性のみを追求せず、仏教で説く知足(足るを知る)を実践し、持続可能な共生社会を作るために努力することを決意し、宣言する」と記しています。私たち一人ひとりが日常生活の中で具体的に自分に出来ることとして知足(足るを知る)の教えを、言葉に行動に代えて実行することを誓おうではありませんか。そのことが、震災で亡くなられた多くの方々のいのちをつなぐ、真の意味でのご供養になると信じます。
 
 
 
平成23年度
社会事業従事者研修大会 報告

 去る平成23年7月27日(水)〜29日(金) の3日間、本山妙心寺において恒例の社会事業従事者研修大会が開催された。
 本年は、震災の影響で、東北方面の参加者が減ったこともあり、46名の参加者で、妙心寺、花園会館、東福寺、西本願寺
花園大学を会場に開催された。
 1日目、全国(九州〜関東)から参加者が本山に上山され、1時45分より微妙殿で開会式を行う。本尊、開山様に回向をし、あわせて今回の震災物故者に対しての回向も行った。

 官長猊下より、全国遠方よりお越しくださったねぎらいと、社会福祉の意義と日頃の福祉活動の尊さに感謝するとのお言葉をいただき、参加者一同身に余る光栄と感謝し、更なる精進をお誓いした。
 続いて、永年勤続表彰が授与され 
 
官長表彰(勤続15年以上)には
 松尾敬子(養護老人ホーム済昭園 九州・・光桂寺)
 高鴨 梢(花園保育園 四国・・青源寺)
 島本弘枝(三友保育園 四国・・三友寺)
 藤森由子(三友保育園 四国・・三友寺)
 出川智子(おやま保育園 中国・・日蔵寺)
 教学部長表彰(勤続10年以上)
 
草野紘子(おじま幼稚園 愛知・・寶珠寺)
 八木伸子(千代川保育園 近畿・・宗福田寺)
 理事長表彰(勤続5年以上)
 該当者なし
がそれれぞれ表彰され、代表して光桂寺 養護老人ホーム済昭園 松尾敬子さんより、謝辞が述べられ、会場一同拍手で、表彰者のご苦労を労いました。以上開会式を終え、記念撮影の後、第一回目の講義、教学部長様の法話を拝聴した。部長様より今回の震災に関しての妙心寺関係の死亡者や不明者、家屋の被害状況が報告され、今なお続く避難者の援護支援の実情に合わせ「布施のこころ」と題して、ご法話をいただいた。清らかな心で施し、施され、そうして施されていく物。その行為を元に、誰にでも出来る施し方(無財の七施)を優しく説いていただきました。最後に話された「ねがわくば われ春風に 身をなして 憂きある人の 門を訪わばや」
   社会事業に従事している私達にとって、一人ひとりがまさしくこの言葉のように接して、そして尽力することが使命と再認識させられた言葉でした。 
 そして夜には、各部長様を招き、花園会館で懇親会を行い、各施設から来られた方々と楽しいゲームや、静岡ブロック上村先生(大聖寺)による、歌とアコーディオンで楽しい懇親会を過ごしました。
 2日目は午前6時より法堂にて座禅、粥座等を経験し、9時より念珠作りを体験。それぞれ腕輪念珠を悪戦苦闘し作り上げました。その後東福寺さんに拝観に出かけ、続いて、現在親鸞聖人750年忌法要が開催されている西本願寺へと廻り、普段見られない特別な文化財を皆で見学いたしました。
 3日目は如常の朝のお勤めをし、花園大学経堂に移動し、協会理事の林先生(寶珠寺)のご紹介による胡弓演奏者木場大輔さんと、ピアノ演奏の足立知謙さんKODACHIのお二人によるセッションをお聴きし、スカボロフェアから赤とんぼまで全13曲を、時のたつのも忘れるぐらいお二人の演奏に聴き入ってしまいました。そして、経堂で聞くアメジンググレイスもまた格別のものがありました。そして、余韻冷めやらぬ内に閉会式を行い、2泊3日の研修会を終了し、参加者もそれぞれ各施設へとお帰りになられました。
 さて、次年24年度は本事業7月25日(水)〜27日(金)の開催予定としております。
 毎年アンケートでは、是非もう一度来たい。など好評をいただいております。夏の暑い京都妙心寺の2泊3日の研修ではありますが、暑さも忘れるぐらいの心の感動、満足感があると自負しております。
 遠路交通費など多大な出費をお掛けしますが、是非一人でも多くの参加者をお送りいただけますよう、各理事長、施設長様におかけましては、ご配慮のほどよろしくお願い申し上げ、報告とさせていただきます。 事務局

 
 
  
23年度
社会事業協会 施設長会議

今年度担当 中部ブロック

 平成23年11月17日(木)〜18日(金)の2日間、妙心寺派社会事業協会の施設長会議が、今回は中部ブロック、土岐市の慈徳院、土岐津保育園園長、福富先生のお世話により、本所教学部より2名の参加をあわせ23名のご参加をいただき、「妙心寺派社会事業協会施設長会議 飛騨高山」が開催されました。
 17日、12時30分 名古屋駅に集合し、バスにて一路高山へ、そして、最初の見学先、高山市国府町の安国寺へ向かいました。
 安国寺は、本派の寺院で、室町時代に足利尊氏が全国に設けた安国寺の1つで、経堂は国指定となっている古刹の寺院であります。ご住職自ら境内の伽藍の説明をいただき、本尊にて回向をし、お茶をいただきながら、秋深まる古の往時を偲びつつ、安国寺を後にしました。
 そして、本日の投宿先、飛騨高山市内の旅館に向かい、施設長会議を開催。事務局より
〇23年度の前半の行事事業の報告
〇23年、後半の社会事業協会事業計画の説明
〇東日本大震災支援活動ならびに義援金の中間報告
〇来年度の施設長会議の開催場所の決定
〇 その他の活動内容審議
 などを報告、協議しました。次回開催については、愛知ブロック担当になりましたが、今回の震災を受けて、東北ブロックでの支援活動が行えないかという夏の理事会での決議をふまえ、来年3月までに、協議してゆくこととなった。また次回から、施設長だけでなく、施設見学の内容如何により広く職員、各施設の理事などの関係者の参加も出来るよう開催名から考えた運営方法を考えるべきでは、という意見が出、次回より実施検討することとし、会議を終え、懇親会を持ち、それぞれ参加者の意見交換をいたしました。
 
 
 翌日も好天に恵まれ、高山名物朝市を散策した後、二日目の施設見学地、高山市漆垣内町の民間保育施設大八保育園に向かいました。大八保育園さんは、社会福祉法人高山福祉会が運営され、高山市内に五箇所の保育所を運営され、全園児670名を有する保育園で、モンテッソリー教育を取り入れた、きめ細やかな心遣いで子どもへの配慮をされている保育園という印象を受け、丁度給食時にお邪魔したのですが、園児たちは元気に挨拶をしてくれ、各自で給食の準備をして、美味しそうにご飯を食べている子もいれば、発表会の練習をしている子もいて、活発な活動の様子が伺えられ、参加者も大変参考になられた様子でした。
 そして我々も、昼食時となり、市内の飛騨牛専門店にて、ご当地名物、飛騨牛の昼食を堪能し、その後名古屋へと帰路についた。
 24年度は愛知ブロック担当にて開催を予定していますが、昨年の震災の支援活動を協会としてどのような位置づけで行っていくかを今後検討課題としておりますので、まだ、具体的な開催地など決まっておりませんが、3月の理事会で決定し、直ちに皆さんの施設へご連絡する予定にしております。
 そんなこの施設長会議も、協会内の皆様にとって、情報交換の場、また同じお寺の施設同士ならではの、話の通じる場としてなり得る価値のあるものだと、毎年来てくださった皆様の顔を拝見しておりますと、そう感じさせられます。ゆっくりとした研修内容でありますので、今後、是非多くの会員様のご参加をいただき親睦と研修がおこなえますよう、心よりお待ちしております。
 最後になりましたが、今回お世話いただいた中部ブロック福富先生、また関係者の方々には心より御礼申し上げ、報告とさせていただきます。
  
  
23年度後半以降の行事予定
24年2月17日(金) 社会事業協会理事会 於宗務本所
24年4月24日(火) 社会事業協会幹事監査
    25日(水) 社会事業協会理事監事会
24年7月25日(水)〜27日(金)
          社会事業協会従事者研修大会
24年10月〜11月ごろ
          社会事業協会施設長会議
          愛知ブロック
 担当は愛知ブロックですが、開催地などの詳細は未定です。


役員交代
 このたび、4月の理事会において近畿ブロック木村監事が退任され、新しく愛知ブロックの山田先生が監事に就任されました。
 旧 監事 近畿ブロック あわが保育園 兵庫県 大同寺
 木村宏斉
 新 監事 愛知ブロック 天道幼稚園 愛知県 高松寺 山田浩正
  お知らせ
●ブロック単位での研修会に助成金・・社会事業協会では研修会実施の奨励を目的に、ブロックでの研修会(1ブロック5万円、年1回)各園での仏教保育の研修(1園2万円、年1回)に対して助成金を交付しています。広くご活用されますようご案内申し上げます。ご希望の園は、ブロック長様を通して、事務局までお申込みください。
●会費の徴収率が毎年少しずつ落ちております。協会の活動として、夏の研修、各ブロックの研修費、全国の妙心寺派の施設の相互運営活動に活用していく基金となりますので、是非お忘れなくご負担いただくようお願い申し上げます。
●度諸事情により、会報の発行が遅くなりましたことをお詫び申し上げます。
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